【活動報告】岩手大学との共同研究

2024/7/31

 

岩手大学との共同研究

 

 当教室では長年、牛伝染性リンパ腫(旧 牛白血病)の診断法や制御法の開発を目的に、岩手大学農学部と共同研究を実施してきました。

 

 直近では、岩手大学農学部共同獣医学科 獣医微生物学教室の村上賢二先生、山田慎二先生と、牛では継続的な観察が難しい牛伝染性リンパ腫について、実験感染羊を用いた共同研究を進めています。この共同研究の成果として、我々の開発した技術(RAISING法)を用いた発症予測法が、臨床症状に先立って早期発症診断に有用であることを報告しました。

 

 

  Okagawa T, Shimakura H, Konnai S, Saito M, Matsudaira T, Nao N, Yamada S, Murakami K, Maekawa N, Murata S, Ohashi K.

  Diagnosis and Early Prediction of Lymphoma Using High-Throughput Clonality Analysis of Bovine Leukemia Virus-Infected Cells. 

  Microbiology Spectrum, 10(6):e0259522, 2022

    https://doi.org/10.1128/spectrum.02595-22(オープンアクセス)

 

  プレスリリース「牛のリンパ腫発症を予測するがん検診技術を開発 ~発症予測法の実用化による畜産被害の軽減に期待~」(2022/10/21)

    https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/221021_pr6.pdf(PDF)

 
 

 羊は、潜伏期間が長い牛の慢性感染症(牛伝染性リンパ腫やヨーネ病など)を短期間で発症することから、有用な動物モデルとして知られています。海外では羊を使った感染症研究が数多く行われていますが、日本では岩手大学のみで実施されています。現在の共同研究においても、実験感染羊の極めて貴重な検体を使って、ウイルス学、免疫学、さらには腫瘍学の新たな知見を得ています。日本の畜産業に貢献するために、今後もこの共同研究を遂行していく予定です。

 

 写真は共同研究者である岩手大学農学部共同獣医学科 獣医微生物学教室の山田先生と教室員の皆さまです。

 

 貴重な共同研究の機会と皆さまのお力添えに、改めて感謝申し上げます。

 
 

 

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